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安田屋旅館

〒410-0223 静岡県沼津市内浦三津19
安田屋旅館
〒410-0223 静岡県沼津市内浦三津19
TEL: 055-943-2121
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口コミ

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2.9 に投稿 獲得票数:13 投稿者: たび金魚認証済
2018年6月頃にカップルで滞在 この口コミに投票する
西伊豆で旧き良き日本旅館の情緒にひたる、太宰治ゆかりの宿

明治20年(1887年)創業で、今年130年を迎えた海辺の旅館です。6月の平日に2名2食付き32,400円(税サ込)+入湯税300円で宿泊しました。

暖簾がたなびく古風な構えの玄関先には数人の観光客がいて、当初は宿泊客かと思ったのですが、2016年に放映されたテレビアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』のファンの方々でした。周囲一帯が物語の舞台になったほか、安田屋旅館が主人公の自宅という設定で、国内のみならず海外からも“聖地巡礼”に訪れる方が後を絶たないのだそうです。

中に入るとすぐに玄関棟の奥にあるラウンジに通され、お茶と饅頭をいただきながら記帳します。食事の時間を決め、女性は色浴衣を選び、部屋へと案内されました。その際、荷物は持っていただけませんでしたが、宿や建物の歴史などを説明していただきました。

客室は全15室で、そのうち10部屋が海側になりますが、1階よりも2階の方が眺めもいいようです。客室がある大正7年(1918年)築の「松棟」と、昭和6年(1931年)築の「月棟」は、国の登録有形文化財に指定されていて、このほか「桜棟」にも宿泊できます。予約時に部屋の指定はしませんでしたが、この日は宿泊客が少なく、広い海側の部屋に案内していただきました。途中、松棟にある欅でできた螺旋階段は、印象に残る造りでした。

案内された松棟の2階にある「牡丹」は、本間10畳+前室8畳にトイレとユニットバスがついた角部屋で、今では珍しい回り廊下のある古風な客室でした。組子細工を施した障子や小窓が開く猫間障子をはじめ、彫刻された欄間など、建築当時の趣を残しているそうです。古い建物ですがトイレは新しく、設備面に不便を感じることはありませんでした。客室アメニティは歯ブラシとヒゲソリのみと少なく、化粧品類は大浴場に置いてありました。

回り廊下の広々ととられた窓からは、海岸通りの向こうにある小さな海水浴場と、内浦湾に浮かぶ淡島が見えました。天候によっては淡島と陸地との間に富士山が見えるそうで、憲政の神様といわれた政治家の尾崎行雄は、この宿を「対岳楼」と名付けたそうです。客室の前には木が植えられ表の通りから室内が見えづらくなっていますが、本間の一部は隣の客室から見えます。障子を閉めればプライバシーは守られますが、せっかく泊まった古い宿なので、折を見ては風情のある回り廊下に出て、そこから見える窓辺の景色を愉しみました。

客室は概ねキレイに清掃されていますが、組子細工障子などの桟にはホコリが残っていました。障子の滑りも悪く、壁の傷などもありますが、古い建物なので仕方がないと思います。古い建物の臭いは多少しますが、防臭効果のある竹炭が至る所に置いてあり、不快なほどではありませんでした。布団は夕食の間に敷いていただきますが、掛け布団のカバーが新しくはないのか、小じわが多く気になりました。部屋の防音性は低く、車の音や目の前の砂浜で騒ぐ観光客の声がよく聞こえます。また隣の部屋の扉が閉まる音は間近に聞こえますが、話し声は気になりませんでした。夜になって辺りが静まると、潮騒がよく聞こえました。

泊まった部屋の隣の客室「月見草」には、太宰治が半月ほど滞在し、晩期の傑作『斜陽』の第一章と第二章を執筆したそうです。当時は宿の方が気づかず、翌年、太宰の没後に分かったとのことで、宿に残された品などはないそうです。今では渡り廊下の途中に「伊豆文庫」と名付けられた小部屋が設けられ、太宰の資料などが置かれています。また客室には『斜陽』の文庫本が置いてありました。

男女別の大浴場は、緑の豊かな渡り廊下の先に比較的新しい浴室棟があり、翌朝入れ替えがあります。それぞれ露天風呂を併設した「桜桃の湯」と「富嶽の湯」のほか、有料の貸切風呂「花吹雪」があります。お風呂場は節電が徹底されていて、あまり電気がついておらず夕方以降にならないと点灯しない箇所もありました。桜桃の湯の脱衣場は床に経年劣化を感じる部分があったほか、夜は露天風呂が真っ暗で入りませんでした。どちらの露天風呂も2人が入れるほどの大きさがあります。富嶽の湯の露天風呂からは、近くに建物が見えるので気になります。アルカリ性単純温泉のお風呂は加温・循環消毒されていて、富嶽の湯は塩素臭が気になりました。どちらの内風呂も緑豊かな窓が大きく取られ、露天風呂も苔や木立に心がなごみました。

朝夕の食事は、月棟1階の客室「橘」を食事処として利用しました。宿泊客が多い時は、大広間が食事処になるようです。こちらのスタッフは控え目な方で、料理を運ぶ際は小声で料理名だけを伝えていきます。夕食は1品ずつ運ばれますが、配膳のペースがやや早く、急かされる印象がありました。また食べ終えた食器が途中から片付けられませんでした。料理は魚の煮付けなど魚料理がメインです。「サゴチ(サワラの若魚)ずんだ焼き」は意外にも潰したずんだが魚との相性がよく、鯛しゃぶの鍋は最後に雑炊にしていただきます。際立つ料理はありませんでしたが、全体的に庶民的な味つけで美味しくいただくことができました。

翌朝は、たくさんの小鉢が丸く並んだ食卓に、焼き魚と炊き合わせは温かいものが運ばれました。中でもアジのひらきはとても美味しく、シソのような漬物もご飯が進んで、おなかいっぱいになりました。酸味のあるヨーグルトにはマシュマロが入った初めての味でした。

玄関棟の内部や渡り廊下などは造り変えられていますが、歴史を感じる客室の回り廊下から海を眺めると、古い建物ならではの情緒が感じられました。老舗旅館ということで、敷居の高い宿を想像していたのですが、女将さんやご主人をはじめスタッフは、民宿のように気取らず親しみのある接客で、若い人でも泊まりやすいと思います。今では数少なくなった日本旅館ですが、その良さを知るにはいいお宿だと思います。

接客対応

親しみやすく気取らない接客で、敷居の低い宿でした。食事処の方は、控え目な感じの方でした。

清潔感

概ねキレイに清掃されています。古い建物の臭いは若干気になりますが、不快なほどではありません。

客室

大正期に建てられた客室は、古い旅館ならではの回り廊下を備え、2方向に広い窓があるため開放感は抜群です。トイレも新しく自動洗浄式でした。

食事

鯛しゃぶやお造り、煮魚、焼き魚など、魚料理が中心です。味付けに際立つものはありませんが、美味しくいただきました。料理の運ばれるタイミングは少し早かったです。

コスパ

日本情緒を味わえる登録有形文化財の客室に泊まれるうえ、価格も手頃で、海側の部屋ならコスパはいいと思います。

立地

沼津駅から車なら30分ほどで、路線バスは最寄りの伊豆長岡駅から25分ほどです。宿の前は小さな海水浴場で、伊豆・三津シーパラダイスは徒歩2分と観光にも便利です。

温泉・スパ

大浴場はどちらも内湯は広く、2人サイズの露天があります。温泉は加温、消毒、循環ろ過で塩素臭が少し気になりました。脱場など電気が消えているところが多かったです。

備考・アドバイス

Wi-Fiは利用できません。

カード払いが可能です。

客室は全て同じ料金で、料理プランなどで値段が変わります。客室は、宿泊人数やその日の予約状況で決まるようです。

電話で予約すると客室の指定が可能で、1人2,000円プラスで海側の部屋を指定できます。また客室を指定する場合は1人3,000円プラスです。

貸切風呂は50分1080円です。

駐車場にEV車用の充電スタンドがあります。

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