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八丁の湯
〒321-2717 栃木県日光市川俣876
TEL: 0288-96-0306
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口コミ

この口コミは宿らん調査員が投稿しました。 宿らん調査員とは?
3.2 に投稿 獲得票数:11 投稿者: izaiza認証済
2019年4月頃に家族旅行で滞在 この口コミに投票する
滝の流れを眼前に仰ぐ野趣あふれる露天風呂と夕食のヤシオマスと猪鍋が魅力の温泉宿

奥鬼怒温泉郷は、栃木県の最奥、鬼怒川の源流付近に広がる温泉郷で、関東最後の秘境と呼ばれています。奥鬼怒四湯と呼ばれる四つの温泉地があり、いずれも一軒だけの温泉宿が存在します。その中のひとつ「八丁の湯」は、テレビの旅番組にたびたび登場し、加仁湯と並んで全国的な知名度を誇る宿です。日本秘湯を守る会の会員宿でもあり、全国の秘湯ファンから高い支持を集めています。

ゴールデンウィークに、大人2名、小学生1名で宿泊しました。客室はログハウス(12畳+10畳+ロフト付き)、夕食に「いのしし鍋付き八丁の湯会席」の付いた一泊二日夕朝食付きプランで、料金は税込で大人1名21,060円、子供1名14,742円でした。奥鬼怒方面への旅はこれまで川俣温泉まででしたが、より秘湯の雰囲気を味わいたく、さらに奥地まで足を運ぶことにしました。4月に入ってから某予約サイトを確認したところ、幸いにも目当てのログハウスに空室があり、今回の初訪問に至りました。

宿へのアクセスは、東武鬼怒川線の鬼怒川温泉駅から女夫渕まで路線バスで1時間40分、女夫渕からは無料送迎バスで30分程です。八丁の湯は日光国立公園内にあるため、一般車両の進入が禁じられています。女夫渕の無料駐車場まで路線バス(または自家用車)で向かい、そこから先は宿専用の送迎バスを利用します。鬼怒川温泉駅からトータル2時間以上もバスに揺られ、標高1300メートルの秘境の宿に到着しました。乗り物疲れはピークに達していましたが、山域の冷たい空気と鬼怒川の瀬音が心地よく、瞬く間に疲労感が爽快感へと変わりました。到着するとすぐに小雪が降り始め、時間の経過とともに冬の寒さに変わっていきました。

宿の前には、スタッフの方が待機していて、館内へと誘導してくれました。こちらの宿は、基本的にセルフサービスで、荷物の運搬から布団敷きに至るまですべて宿泊客自身が行います。そのせいか、スタッフは、常勤の方だけでなくアルバイトの方も多くいたようです。これは、接客を最小限にすることで、温泉や食事に注力し、プライベート時間への干渉を極力避けようとするお宿の心遣いで、秘湯ファンのニーズを反映したものと推察します。チェックインの手続きは、帳場で記帳した後、簡単な館内説明を受けました。まだ13時前でしたが、すでに客室の準備は整っており、大荷物を抱えて客室に向かいました。

宿泊施設は、昔ながらの本館と増築されたログハウス棟に分かれています。ログハウスの客室にはトイレ・洗面台が付いていますが、本館の客室は共用です。今回宿泊した客室は、ログハウス棟では最も広い、二間の和室とロフトを擁するお部屋でした。大人5~10名での利用を想定しているとのことで、4メートル以上はありそうな天井、壁際に広がったサッシのガラス窓、窓の向こうに見える山の景色など、山小屋らしい開放感にあふれていました。ベランダやロフトはゆったりとしたスペースがあり、ベランダに出て川の流れを眺めたり、ロフトに上って客室全体を俯瞰したり、子供と一緒に室内の至るところに移動して、アドベンチャー気分を楽しみました。

お茶請けは「鬼怒の清流」が3つ、飲み物は「伊右衛門」のティーバッグが12袋用意されていました。タオルは、厚手のバスタオルとフェイスタオルが人数分ありました。浴衣は大が1枚、中が2枚ありましたが、子供には大きすぎて1枚は使用しませんでした。半纏は全部で5着用意されていました。暖房器具は全部で3台あり、そのうちの2台のガスファンヒーターを使用しました。明け方には氷点下の寒さになりましたが、客室は程よくあたたまっていました。

寝具(マットレス、掛布団、毛布、枕)は、クローゼットの中に大量に収納されており、シーツと枕カバーは、別途人数分用意されていました。シーツ掛けの際に気づいたのですが、マットレスはすべて西川の「ボナノッテ」が用意されていました。布団敷きはセルフサービスにする一方で、寝具の質はしっかりとこだわるお宿の姿勢にあらためて感銘を受けました。マットレスは、絶妙の反発が心地よく、長旅の疲れを癒してくれる期待以上のものでした。

洗面所は、洗面台とトイレが一緒になった造りでした。洗面台には、ヘアドライヤー、歯ブラシが用意されていました。本館の共用の洗面所も清潔に保たれ、利用上は問題なさそうでしたが、やはり、客室専用の安心感は別格でした。

源泉かけ流しの温泉は、混浴露天風呂、女性専用露天風呂、男女別の内風呂があり、24時間利用できます。泉質は単純温泉ですが、かすかな硫化水素臭(硫黄の香り)を有し、湯船には白い湯の華が舞う、温泉らしい温泉です。混浴露天風呂、内風呂いずれも、湯船によって湯温が異なっており、ぬるめのお湯は子供でも無理なく入浴できました。単純温泉の柔らかいお湯は体に優しく、入浴後はすべすべとして美肌効果を感じました。

混浴露天風呂は、湯船が三つあり、いずれも滝を眺めながら入浴できます。「雪見の湯」は開業当時からある歴史あるお風呂、「滝見の湯」は正面から滝を臨む絶景ポイント、そして、「石楠花の湯」は滝の流れ落ちる様子を真横から至近距離で見られる珍しいロケーションで、三湯三様の湯浴みを楽しめます。春のこの時期は雪解けで滝の水量が増し、特に「石楠花の湯」からの眺めは、水の勢いと轟音に迫力がありました。滝の流れの清涼感に、冬の名残の冷たい空気と硫黄の香りとが相俟って、これ以上ない野趣あふれる雰囲気と心地よい湯浴みを満喫しました。

男性用の内風呂は、最も古くからある木造のお風呂で、昭和初期にタイムスリップしたかのような古の風情がありました。小さな湯船が二つ、洗い場が一つあり、宿泊客の数からすると、設備としては不十分に思えましたが、幸いにも他の宿泊客と重なることはなく、余裕を持って利用できました。アメニティは、シャンプー類、ボディクリームのディスペンサー、使い捨てのカミソリが用意されていました。因みに、女性用の内風呂には、洗い場が二つあるようです。

食事は、夕朝食いずれも、他の宿泊客と一緒の食事処でした。食事処は本館とレストルームの二か所にあり、我が家はレストルームの方に案内されました。時間の選択肢はなく、夕食は18時、朝食は7時半に指定されていました。食事の開始時には、ほとんどのお料理がテーブルに並び、ご飯とお茶・水はセルフサービスでした。子供は、小学生料金ながら、朝食の一部を除いて大人とほぼ同じ内容でした。

夕食の会席は、山の幸を中心に、栃木の地の食材を使った多種多彩なお料理が並びました。特筆すべきは新鮮なヤシオマスのお造りで、お刺身としゃぶしゃぶの二通りの食べ方を楽しみました。お刺身の脂身の"こってり"としゃぶしゃぶで脂の落ちた"あっさり"は対照的な食感で、どちらも甲乙つけがたい旨さがありました。猪鍋は、上質な猪肉の味噌仕立てで、見た目以上にさっぱりとして、くせのない上品な味わいでした。栃木シャモの土瓶蒸しも宿ならではの一品で、定番の松茸とは違う、動物系の独特の旨味を楽しみました。お酒は、メニューで一番安価な地酒「奥鬼怒」をいただきましたが、程よく芳醇な味わいで、個性的な料理のお供にぴったりでした。朝食は、特筆すべき点はありませんでしたが、食の進むおかずが勢ぞろいで、何度もご飯を御代わりしました。

翌朝は、9時の便で女夫渕まで送っていただき、接続する市営バスに乗って帰途に就きました。終わってみると、手厚い接客・サービスではありませんでしたが、絶景の露天風呂と上質の夕食はそれを補って余りあるもので、心行くまで堪能しました。宿までの道のりは長く険しいものでしたが、そこまでして訪れる価値のあるお宿だと思っています。近いうちに必ず再訪を果たすつもりです。

接客対応

荷物の運搬、布団敷き、ご飯の盛り付けなどは宿泊客のセルフサービスでした。常勤スタッフには丁寧な応対をされる方もいて、気持ちの良い接客を受けました。

清潔感

ロフト上のほこりや畳の焦げ跡が気になりましたが、最低限の清掃はされていると思います。本館に比べてログハウスは、老朽化で不快に感じる点はありませんでした。

客室

ロフト付き、和室二間のログハウスは三名利用では広すぎるほどでしたが、ベランダに出て川を眺めたり、ロフトに上って室内を俯瞰したり、楽しみの多い客室でした。

食事

上質で鮮度の高い食材が使用され、特に、ヤシオマスのお刺身としゃぶしゃぶは、こってりとあっさりの両方の食感が楽しめる感動の味わいでした。

コスパ

ゴールデンウィーク真っ只中の繁忙期で、大人数で泊まれる広い客室、豪華な会席料理、野趣あふれる露天風呂が付いてこの料金であれば、費用対効果は高いと思います。

立地

日光国立公園内にあり、周辺に民家はなく、鬼怒川の源流とブナの原生林に囲まれた自然豊かな立地です。滝を間近に臨む露天風呂はこの宿ならではの魅力です。

温泉・スパ

滝の流れを眼前に仰ぐ絶景露天風呂は宿最大の魅力で、滝音の清涼感、硫黄の香り、冷たい冬の空気が心地よく、得も言われぬ極上の湯浴みを満喫しました。

備考・アドバイス

鬼怒川温泉から女夫渕までの路線バスは、繁忙期の利用客の増加が見込まれておらず、往路は座れる場所がなく床に座る人がいる始末、復路は途中で大きなバスに強制乗換となるトラブル続きでした。女夫渕までの行程は、できれば自家用車、市営バスなら閑散期の利用をおすすめします。

女夫渕から宿までの無料送迎バスは、事前予約が必要ですのでご注意ください。帰りは予約不要ですが、朝食の際に要否を確認されます。

公式サイトによると、チェックインは12時、チェックアウトは10時とのことです。予約サイトではチェックインは14時となっていましたが、13時前にチェックインさせてもらいました。チェックイン前、チェックアウト後もレストハウスとお風呂は利用できるようです。

混浴露天風呂は、女性はタオルを巻いて入浴できるようです。日中に、家族で利用されている女性を一度だけ見かけました。21時から22時までは女性専用となります。

客室内にセーフティーボックスはありませんでしたが、露天風呂の脱衣所と内風呂の周辺に施錠できるロッカーがありました。

無線LANは、宿泊した客室では圏外でしたが、本館や一部のログハウスで使用できるようです。

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