2018年12月頃に一人で滞在 | この口コミに投票する |
鷹巣館は、全12部屋のうち9部屋が離れとなっています。当日は、最寄りの越後下関駅まで迎えに来ていただき、送迎車で宿へ向かいました。敷地へ渡るつり橋は、一般車は乗り入れる事ができず、送迎車以外では歩いて向かいます。平日に一名で「村上牛カスタマイズ会席」というプランを利用し、一泊二食付き26,070円でした。
到着すると女将さんらが温かく出迎えてくださり、チェックインより少し早い時間でしたが、そのまま客室へ案内されました。手続きはお茶をいただきながら室内で行います。
宿泊したのは本館二階にある「花の間」で、和室10帖の本間と洋室のダイニングが6帖ほどあります。食事は二食ともに部屋食のため、ダイニングが別室にあると、食後も本間には臭いが残らず重宝しました。また、どちらの客室にもテレビが備えられ、食事しながら鑑賞もできます。清掃や手入れもこまめにされているようで、古い客室ながら快適に過ごせました。
水回りはトイレと洗面所だけながら、大浴場が本館に隣接しているので、不便さは感じませんでした。アメニティ類は最小限の用意で、髭剃りや化粧品類は大浴場にあります。ヘアブラシが使い捨てでないのは、衛生的に気になりました。なお、大浴場を利用する際は、湯籠の用意があったので便利でした。
大浴場は男女別に用意されており、滞在中はいつでも利用できます。どちらも内湯と露天風呂が併設され、良質な源泉掛け流しでした。若干お湯の温度が高く、熱くて長湯できなかったのが、個人的には惜しまれます。湯船のサイズはこぢんまりしており、大浴場というよりは小浴場程度に感じます。ただ、離れにはすべてお風呂が付いているためか、ほかの宿泊客と一緒になることはありませんでした。なお、バスアメニティのシャンプー・ソープ類には、ミキモトコスメティックスの良質なものが用意されていました。
食事は二食ともに、どの客室も部屋食で提供されます。夕食は早目に宿に着いたので、18時から用意していただきました。まず、先付や八寸が用意され、クリスマスをイメージした飾り付けが奇麗でした。どの料理も丁寧に盛り付けられて見栄えが良く、上品な味付けで満足のいく会席料理でした。新潟の山海の滋味をふんだんに使った料理で、郷土料理の「のっぺい」や「椀物のむかご真丈」が印象深く残りました。メインの村上牛はやや脂身が多く、私には胃もたれしたのが残念です。
朝食は8時から用意いただき、湯豆腐やあおさたっぷりの味噌汁など、寒い朝に体が温まる料理でした。おひつの白米もほどよい量で、食事は二食ともに十分に満足できました。ただ、どちらも食後にコーヒーなどのサービスはなく、ロビーで無料提供されているフリードリンクのみというのは、やや残念に感じました。
こぢんまりした宿なので、スタッフの数は多くありませんが、どなたも丁寧で温かい応対でした。チェックアウトの際に、送迎まで待ち時間があったため、ロビーでお茶を勧めてくださる心配りがありました。いろいろお話はしてくださいますが、ほどよい距離感を保ってあり、居心地がよかったです。
離れが主体の宿ながら、本館の客室でも十分にくつろぐことができました。特に二食とも部屋食で、気を遣わずにゆっくりと食事ができます。新潟の地酒もそろっており、日本酒が好きな方には喜ばれそうな銘柄もありました。一人旅を歓迎の宿でもあり、気ままな旅行にも適しています。そして離れに宿泊する際には、露天風呂か内風呂があるために、大切な人との時間をおこもりして過ごせる宿です。
接客対応 | 気さくながらも丁寧な応対で、ほどよい距離感のある接客でした。細やかな心配りもあり、快適に過ごせました。 |
|
清潔感 | 障子の張替えなどこまめに行われています。古い建物ですが、清掃が行き届いていました。 |
|
客室 | 本館でも二間あり、ゆったりしていました。お風呂はありませんが、大浴場が本館に隣接しています。 |
|
食事 | 丁寧な味付けと盛り付けのされた料理でした。村上牛や真コチなどの高級食材も使われていました。 |
|
コスパ | 夕食を上のランクにしましたが、二食とも部屋食であることを考えると、妥当な料金設定だと思います。 |
|
立地 | 荒川渓谷沿いにあり、秋は紅葉が美しい場所です。公共交通機関でのアクセスはよくありませんでした。 |
|
温泉・スパ | 良質な源泉掛け流しのお湯が楽しめます。大浴場はひなびた感じがあり、広さもこぢんまりしていました。 |
最寄りの越後下関駅へは、列車の本数が少ないです。新潟~山形間のバスも日に2本停まるため、こちらも組み合わせると多少便利かと思われます。
本館の客室でも十分にくつろげますが、温泉を気兼ねなく楽しみたい方には、少々値段が上がっても離れをお勧めします。