炭屋旅館の客室の庭

【炭屋旅館】京都を代表する老舗旅館で満喫する風流な和の世界

京都市には時代を感じさせる古風な老舗旅館が観光エリアごとに多く建ち並んでいます。とりわけ、在りし日の京の面影を現在に伝える数寄屋建築は、眺めているだけで時間が逆戻りするような感覚さえ覚えますよね。今回紹介する炭屋旅館は京都を代表する老舗旅館のひとつ。大正初期に創業した旅館で、その古めかしい佇まいには京都屈指の老舗旅館としての風格がありありと漂っています。そんな旅館に宿泊できたら、きっと京都滞在もより思い出深いものになるはず。老舗旅館に泊まる醍醐味とは、いかなるものなのでしょうか?訪れる人の心を魅了してやまない炭屋旅館の魅力をお伝えします。

威風堂々とした炭屋旅館の外観

炭屋旅館の外観

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館があるのは三条通から麩屋町通を南に入った狭い路地。閑静な家並みが続く一角に、重厚にして簡素な数寄屋造りの炭屋旅館はひっそりと佇んでいます。宿泊客でなくともつい足を止めてじっくり鑑賞したくなるような、堂々たる外観が印象的です。

炭屋旅館の玄関

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館へのアクセスは電車が便利。地下鉄の京都市役所前駅からは徒歩およそ3分、阪急電車の烏丸駅と京阪電車の三条駅からは、ともに徒歩10分ほどの距離です。車で宿に向かう場合は契約駐車場を利用することになります。

炭屋旅館の宿泊棟

炭屋旅館の玄関

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の玄関

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館にある宿泊棟は本館と新館の2棟。麩屋町通に面した玄関から入ると、和の意匠で統一された畳敷きのスペースがあります。格式高い外観とは異なり、玄関は落ち着いた和みのスペース。ここからは、宿の方に客室まで案内してもらえます。

炭屋旅館の本館廊下

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の本館廊下

出典:宿らん/炭屋旅館

数寄屋建築の味わい深さが感じられるのは本館。創業が大正初期ということは、本館の建造はそれよりも時代がさかのぼるはず。底光りする床や柱が炭屋旅館の歩んだ長い歴史を物語っています。

炭屋旅館の新館ロビー

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の新館ロビー

出典:宿らん/炭屋旅館

一方、新館の方はレトロ調の清爽なインテリア。上の画像は新館のロビーに当たるスペースで奥行きが感じられるフロア構造になっています。

炭屋旅館の新館ロビー

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の新館ロビー

出典:宿らん/炭屋旅館

ロビーの壁際には、ソファにくわえてパソコンが置かれたデスクもあります。館内にはWi-Fiが飛んでいるので、観光の情報収集をする際にも便利です。

新館の客室・「安宅」の踏込と小上がり

炭屋旅館の客室入口

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

今回紹介する客室は、新館にある「安宅」と呼ばれている和室。ドアを開ける3帖ほどの広さを持つ小上がりがあります。

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

上の画像は、小上がりから入口のドアを眺めたもの。ドアの横は水屋のスペースで、お茶のセットや冷蔵庫が置かれています。

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

冷蔵庫にある冷たい飲み物は、ビール・日本酒・ミネラルウォーター・ソフトドリンクなど。いずれも有料になっています。

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

底冷えの日が続く京都市の冬。冬場には、小上がりにもヒーターが置かれます。

新館の客室・「安宅」の客間

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

客間の座敷は8帖で、上の画像は1月に宿泊した際の床の間。お正月用の床飾りが客間全体に京の季節感を添えています。

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

客間の壁は単色で質素なデザイン。炭屋旅館は茶の湯にゆかりが深い宿として知られ、毎月7日・17日の夜には、宿に設えられた茶室で宿泊客にお茶がふるまわれています。客間の質素な装いは、侘び寂びの世界を体現する茶の湯の精神を映し出しているかのようです。

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

客間に到着すると歓迎のお茶とお茶菓子がいただけます。

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

4帖ある広縁にはテーブルセットが置かれ、窓越しに広がる庭を眺めることができます。広縁の端にあるのは、専用のイスが付いた3面鏡の化粧台。持参するコスメ類を並べても問題がない広さです。

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

質素な作りの客間とはいえ、居心地のよさもきちんと考慮されています。空気清浄機にくわえ、冬場には客間にもヒーターが設置されます。また、聚楽壁の腰張りに張られているのは能楽作品の安宅。さり気ない形で、風流な趣が演出されています。客室の名前も、この安宅に由来しているのでしょう。

新館の客室・「安宅」の庭

炭屋旅館の客室の庭

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室の庭

出典:宿らん/炭屋旅館

窓越しに鑑賞できる庭は、草木と石が絶妙な間隔で配置された意匠。数寄屋建築にふさわしい趣ある空間です。

炭屋旅館の客室の庭

出典:宿らん/炭屋旅館

庭の隅にはエアコンの室外機がありますが、庭の美観を損ねないよう竹垣で覆われています。

新館の客室・「安宅」のアメニティ・洗面スペース・浴室

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室

出典:宿らん/炭屋旅館

客間にあるクローゼットは上下2段。上段には浴衣、下段にはセキュリティボックスが置かれています。

炭屋旅館の客室の洗面スペース

出典:宿らん/炭屋旅館

洗面スペースと浴室は板敷きで、小上がりから入ります。

炭屋旅館の客室の洗面スペース

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室の洗面スペース

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室の洗面スペース

出典:宿らん/炭屋旅館

洗面スペースにあるアメニティは、ソープ・歯ブラシ・ヘアブラシ・綿棒・コットンなど。スキンケアアイテムとしては、POLAのクレンジング・ローション・乳液がそろっています。

炭屋旅館の客室の浴室

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の客室の浴室

出典:宿らん/炭屋旅館

客室付きの浴室はタイル張り。木調がひときわ美しい湯船は高野槇でできています。洗い場に置いてあるのは、ボディソープ・シャンプー・コンディショナーの3点セット。ポーラのラインで統一されています。

炭屋旅館の客室のトイレ

出典:宿らん/炭屋旅館

トイレは個室で洗浄機能付きのタイプです。

炭屋旅館の家族風呂

炭屋旅館の家族風呂

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の家族風呂

出典:宿らん/炭屋旅館

客室とは別に炭屋旅館には大きめの家族風呂もあります。利用したいときはフロントに問い合わせましょう。空いていれば、いつでも時間無制限で利用が可能です。

炭屋旅館の家族風呂

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の家族風呂

出典:宿らん/炭屋旅館

家族風呂の湯船も高野槇で作られたもの。サイズが大きい分、高野槇独特の香りも同時に満喫できるでしょう。洗い場にあるシャワーは4つで、客室付きの浴室と同じソープ類が置かれています。

炭屋旅館の食事

炭屋旅館の食事

出典:宿らん/炭屋旅館

食事は夕食と朝食ともに客室でいただきます。夕食は京料理の神髄がたっぷりと堪能できる献立。1月のメニューには、縁起物が並ぶお節料理も用意されています。

炭屋旅館の食事

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の食事

出典:宿らん/炭屋旅館

紅白の紐飾りが付いた貝は前菜。蓋代わりになっている貝殻を取ると、タケノコ・カズノコ・菜の花が添えられたあわびが入っています。

炭屋旅館の食事

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の食事

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の京料理の特徴は魚をさまざまな形で味わえること。椀物は蛤のすり身餡の花びら餅。蛤のすり身を餡仕立てにした料理で優しい風味がたまらない逸品です。

炭屋旅館の食事

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の食事

出典:宿らん/炭屋旅館

前菜と同じように、覆いを取るまで料理が見えない焼き物。京料理になくてはならない京西焼きには真名鰹が使われています。

炭屋旅館の食事

出典:宿らん/炭屋旅館

京料理でよく食されている魚ならにしんでしょう。炊き物ではそのにしんをえび芋と一緒にいただきます。

炭屋旅館の食事

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館で供される食事の根底には、徹底して京料理の哲学が流れているよう。通常の旅館なら赤出汁ですが、ご飯と合わせる汁はなめこと鰹が入った白味噌仕立てです。この後、夕食の締めくくりとして、季節のフルーツを使ったデザートが出てきます。

炭屋旅館の食事

出典:宿らん/炭屋旅館

朝食は和食膳で、焼き魚・煮物・漬物・茶碗蒸しなど、旅館でよく見かける朝の定番メニューがお膳に並びます。とはいえ、ここは京文化の名残りを今に伝える炭屋旅館。茶の湯特有の簡素な美学は質素ながら味に深みがある朝食にも反映されているようです。食後には抹茶とお菓子も用意されています。

炭屋旅館の茶室

炭屋旅館の茶室

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館のチェックアウトは10:30。朝食後の過ごし方は人それぞれですが、炭屋旅館ではぜひ茶室を見学してみましょう。

炭屋旅館の茶室

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館の茶室

出典:宿らん/炭屋旅館

炭屋旅館は京都で茶室を持つ数少ない旅館のひとつ。しかも、大正の昔より茶の湯の宿として名を馳せてきた由緒ある旅館でもあります。歴史ある茶室を拝見する貴重な体験となるでしょう。上の画像は、「玉兎庵」と呼ばれている茶室。客室同様、床の間にはお正月の飾り付けが見られます。

京都の老舗旅館に泊まる醍醐味は、歴史情緒にあふれた京風の建築物が鑑賞できることでしょう。その点、炭屋旅館は静かな小路に佇む数寄屋造りの宿で、京の伝統建築を愛でるには最高の環境が整っていると言えます。しかも、大正から受け継がれてきた炭屋旅館の茶の湯は、現在においても色あせることなく、宿泊客を閑雅の境地へと誘ってくれるのです。そんな炭屋旅館で体感できるのは、華やかな贅沢三昧とは対極にある、茶の湯の簡素な美。炭屋旅館に宿を取れば、きっと心が洗われる気持ちになるでしょう。

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